
この記事では、科学的な研究データに基づき、サジーがあなたの内臓にどのような影響を与えるのか、さらに、絶対に知っておくべき「摂取上の注意点」も余すことなくお伝えします。
【はじめに】 サジー(沙棘)とは、主にユーラシア大陸の中央部から北部に自生するグミ科の植物、およびその果実のことを指します。
英語では「シーベリー(Seaberry)」や「シーバックソーン(Sea-buckthorn)」と呼ばれます。
「サジーを毎日飲んでみたいけど、肝臓や腎臓に負担がかからないか心配…」と不安に思っていませんか?
健康のために取り入れたのに、逆に内臓を痛めてしまっては本末転倒ですよね。
結論から言うと、サジーが健康な人の肝臓や腎臓に負担をかけるという報告はないといわれています。
それどころか、最新の動物実験などでは、サジーの成分が肝臓や腎臓を「保護する」働きが期待できることが明らかになっているのです。
結論:サジーは肝臓や腎臓を保護する働きが期待されている

「サジーが肝臓や腎臓の負担になるのでは?」という不安については、過度に心配する必要はないと言えるでしょう。
なぜなら、サジーは内臓に負担をかけるどころか、むしろ肝臓や腎臓の健康維持に役立つ可能性が、多くの研究で示されているからです。
その理由は非常にシンプルで、サジーには内臓のサビ(酸化)に関わる「抗酸化成分」が豊富に含まれているためです。
実際にマウスを使った実験で、サジー種子由来のフラボノイド抽出物を与えたところ、脂肪肝の進行が抑えられたことが確認されています※1。
さらに、サジーの発酵液による研究結果では、アルコールによる肝臓の損傷を軽減したという結果や、肝臓の異常を示す数値(ASTやALT)が改善したという結果も報告されています※2。
サジーが肝臓と腎臓を守るとされる3つの科学的根拠

サジーが肝臓や腎臓に良い影響を与えるのには、明確な科学的理由があります。
ここでは、その3つの理由をわかりやすく解説します。
フラボノイドとカロテノイドが「サビ」を防ぐ
肝臓や腎臓がダメージを受ける大きな原因は「酸化(体のサビ)」です。
サジーには、このサビを防ぐ「フラボノイド」や「カロテノイド」という成分が豊富に含まれています。これらが内臓の酸化ストレスを軽減し、脂質の代謝を正常に保つことで、肝臓や腎臓をダメージから守るサポートをします※1〜3。
鉄分が肝臓の「エネルギー工場」を活性化する
サジーには豊富な鉄分が含まれていますが、実はマウスの実験により、高脂肪食による脂肪肝や体重増加は、鉄分を補給することで軽減できることが示唆されています※4。
鉄分をしっかり補給することで、細胞内にある「ミトコンドリア」というエネルギー工場が活発になり、脂肪の燃焼が促進され、肝臓への脂肪蓄積を軽減する効果が期待できます。
炎症を抑えて肝臓の線維化を防ぐ働きも期待
肝臓に負担がかかり続けると、肝臓が硬くなる「線維化」という状態になります。
ラットを用いた実験において、サジーの果実抽出物が肝臓内の炎症を引き起こす物質を減らし、この線維化を抑制する働きがあることも確認されています※5。
このように、サジーは「抗酸化」「代謝アップ」「抗炎症」の3つのアプローチで、私たちの重要な臓器を守ってくれるのです。
サジージュースを飲む前に知っておきたい「飲みすぎ」のリスク

サジーが内臓に良いからといって、サジージュースを水のようにガブガブ飲んで良いわけではありません。間違った飲み方をすると、思わぬ症状が出ることがあります。
その症状の一つが「柑皮症(カロテン血症)」です。
具体例として、ルーマニアでサジーのシロップ漬けを1日100g(生果実換算で約180g)という非常に多い量を、6ヶ月間毎日食べ続けた男性の皮膚が黄色くなったという報告があります。これは、サジーに豊富に含まれるカロテン(ビタミンAの元になる成分)が皮膚の脂肪組織に沈着したと考えられています。※6。
ただし、安心してください。この男性の血液検査や超音波検査では、肝臓や腎臓などの臓器に異常や毒性は全く見られませんでした。
つまり、肌が黄色くなるだけで、重篤な健康被害はなかったという結果が出ています。
とはいえ、適量を超えた摂取は推奨されません。サジージュースであれば、各メーカーが推奨している1日の目安量をしっかり守ることが、安全に健康効果を得るための鉄則です。
服薬中・通院中の人が気をつけるべき「飲み合わせ」の注意

サジーは栄養豊富な食品ではありますが、すでに病気で病院に通っていたり、薬を服用している方は注意が必要です。
理由は、サジーの成分と薬の組み合わせによって、思わぬ影響が出る可能性があるためです。
例えば、サジーの果実オイルなどには血小板の凝集を抑える(血液をサラサラにする)働きがある可能性が報告されており、抗凝血薬や抗血小板薬(アスピリンやワルファリンなど)と一緒に摂取すると、出血のリスクが高まる恐れがあります。※7
また、この出血リスクの観点から、手術を控えている場合は少なくとも2週間前からサジーの摂取を控えるべきとされています※8。
もし現在通院中であったり、何らかの薬やサプリメントを服用している場合は、自己判断でサジーを飲むのではなく、必ず事前に担当の医師や薬剤師に相談してください。
これは、あなたの体を守るための最も誠実で重要な選択です。
まとめ:研究データから見るサジーの有用性と摂取時の留意点

いかがでしたか?「サジーは肝臓や腎臓に負担をかけるのではないか」という不安は大きく和らいだはずです。
改めて重要なポイントをまとめます。
- サジーは健康な人の肝臓や腎臓に負担をかけるという報告はなく、むしろ抗酸化成分で「保護」してくれることが期待されている
- 鉄分補給により、ミトコンドリアが活性化し、脂肪の蓄積を軽減する効果が期待できる
- 飲みすぎると肌が黄色くなること(柑皮症)があるが、内臓への毒性はないという報告がある
- サジージュースの目安量を必ず守る
- 服薬中・通院中の場合は、飲む前に必ず医師や薬剤師に相談する
サジーに含まれる多種多様な成分は、健やかな毎日を支えるための心強い選択肢の一つとなります。
もしサジーを取り入れる際は、研究報告に基づいた正しい知識を参考に、日々のセルフケアに適切に役立ててみてください。
根拠情報
※1:Yang X, et al. “Flavonoid-enriched extract from Hippophae rhamnoides seed reduces high fat diet induced obesity, hypertriglyceridemia, and hepatic triglyceride accumulation in C57BL/6 mice.” Pharm Biol. 2017; 55:1207-14.
※2:Ran B, et al. “Sea buckthorn (Hippophae rhamnoides L.) fermentation liquid protects against alcoholic liver disease linked to regulation of liver metabolome and the abundance of gut microbiota.” J Sci Food Agric. 2021; 101:2846-54.
※3:Elvira-Torales L, et al. “Nutritional importance of carotenoids and their effect on liver health: a review.” Antioxidants. 2019; 8:229.
※4:Kitamura N, et al. “Iron supplementation regulates the progression of high fat diet induced obesity and hepatic steatosis via mitochondrial signaling pathways.” Sci. Rep. 2021; 11, 10753.
※5:Zhang G, et al. “Active components from sea buckthorn (Hippophae rhamnoides L.) regulate hepatic stellate cell activation and liver fibrogenesis.” J Agric Food Chem. 2018; 66:12257-64.
※6:ファーマシーソリューションズ株式会社「文献検索 調査報告書 サジー:安全性・食経験」内症例報告(出典:Forsch Komplementmed, 19, p.153-156, 2012.)
※7:公益社団法人 福岡県薬剤師会「質疑・応答検索:サジージュースと医薬品との相互作用はあるか?(薬局)」
※8:ファーマシーソリューションズ株式会社「文献検索 調査報告書 サジー:安全性・食経験」内相互作用情報(出典:Natural Medicines Comprehensive Database, Natural Standard)






